深田電機株式会社 ご提案書 Salesforce → Zoho 移行によるコスト最適化 / 販売管理(アラジンオフィス)データの BI・AIエージェント活用 / ZEB事業の受注傾向分析・コンテクスト自動蓄積

ご提出先: 深田電機株式会社 ご担当・役員各位 / ご担当窓口: 情報システム 栗田 直樹 様
作成: 株式会社etika(Zoho認定パートナー) / 作成日: 2026年6月 / ステータス: 役員ご説明用ドラフト(詳細はヒアリングで確定)
本提案は3つの柱で構成されます。

① Salesforce を Zoho へ移行し、CRMの固定費を大幅に下げながら「特定担当者依存(属人化)」を解消すること。

② 移行したZoho CRMを土台に、ZEBプランニング事業の「受注の正解データ」から勝ちパターンを抽出し、営業の入力負荷ゼロでコンテクストを蓄積して受注率を引き上げること。

③ オンプレミスの販売管理(アラジンオフィス)データを BI で可視化し、AIエージェントに接続して経営判断と建築業界向けの販売傾向分析を速くすること。
本書の構成
  1. ご提案の背景と狙い(前回ヒアリングの整理)
  2. 【第1部】Salesforce → Zoho 移行:コスト削減イメージ・移行プロセス・他社事例
  3. 【第2部】Zoho CRM活用 ― 受注傾向分析と"楽な"コンテクスト蓄積:成約データ分析・類似商談検索・メール/電話/会議の自動蓄積・類似工場の横展開ターゲットリスト自動生成(+Bカート連携の補足)
  4. 【第3部】販売管理データの BI 化と AIエージェント接続:できること・実装2パターン・費用感
  5. 全体ロードマップ(第1部〜第3部の進め方)
  6. 補助金の活用
  7. 当社(etika)が支援するメリット
  8. 次のアクション/ヒアリング確定項目

1. ご提案の背景と狙い

前回のお打ち合わせで伺った貴社の状況を、以下のように整理しました。本提案はこの課題認識を起点としています。

テーマ現状(前回ヒアリング・公開情報より)役員の関心事
急成長建築業界向けが伸長し、売上が大きく拡大中。前年期の基幹システム導入時の想定を超えるペース。5〜10年後を見据えた基盤づくり
CRM(Salesforce)商談・顧客管理に利用。閲覧者は数十名規模、設定はメイン1名に集中。設定が硬直化している可能性。コストも継続的に上昇。コスト削減・脱属人化
販売管理2026年3月にアラジンオフィスへ移行。受発注・売上・商品・取引先データが日々蓄積。データを経営に活かしたい
データ活用Power BIは役員が無料枠で個人利用のみ=全社共有できていない。常時見えるダッシュボード建築業界向け販売傾向のAI分析のニーズ。BI・AIで「経営の解像度」を上げる
業務基盤Microsoft 365/SharePointを全社利用。総務系の情報共有もSharePoint上。既存環境を活かしたい
社長ご自身が情報システム部門で基幹システムをご開発されたご経歴を持ち、貴社はDX認定取得企業です。方針はすでに明確であり、本提案は「現場で使える仕組み」への落とし込みに焦点を当てています。
PART 1Salesforce → Zoho 移行:コストを下げ、属人化を解消する

2. なぜ今、Salesforce → Zoho 移行を検討する価値があるか

Salesforceは非常に高機能なプラットフォームですが、中堅企業の実運用では次の構造的なコスト・運用課題が生じやすいことが知られています。

① ライセンス費が積み上がる

利用人数の増加に比例して月額固定費が膨張。閲覧中心のユーザーにも高単価ライセンスが必要になりがち。

② 使っていない機能が多い

フル機能を前提とした過剰構成になり、実際に使う機能に対して費用対効果が見合わない。

③ Admin依存・カスタマイズ負荷

設定が特定担当者に集中し属人化(ブラックボックス化)。改修のたびにスピード・コストの負担が発生。

④ 周辺費用も重い

各種オプション機能や外部連携費が積み上がり、総保有コストが見えにくい。

Zohoへ移行することで、用途ごとに必要なものだけを残して再構成し、業務に合わせた自動化を低コストで作り、内製化しやすい状態を目指せます。Zohoは近年日本語対応・APIともに大きく進化しており、データ構造や実現できることはSalesforceとよく似ています(弊社代表も元Salesforceユーザーです)。

3. コスト削減イメージ(仮試算)

下記は公開単価をもとにした仮試算です。実際の貴社プラン・利用ID数・契約条件はヒアリングで確定し、正式試算をご提示します。

3-1. 単価の考え方(弊社移行支援の実例ベース)

項目Salesforce(現行想定)Zoho(移行後)備考
CRMライセンス単価21,000円 / ID・月4,800円 / ID・月上位エディション同士の比較例

出典: 株式会社etika「Salesforce→Zoho CRM移行支援」公開シミュレーション(sflp.crmsupportcenter.com)。同ページでは 年間7〜8割の削減事例、35IDのケースで月735,000円→168,000円(年間 約680万円の削減)が示されています。

3-2. 深田電機様 想定ケース(閲覧者を含め50ID前提・仮試算)

項目SalesforceZoho差額
CRMライセンス(50ID)月額1,050,000円240,000円▲810,000円
年額換算12,600,000円2,880,000円▲9,720,000円
ライセンス費だけで 年間 約970万円・約77% の削減余地(50ID・上位エディション同士の仮試算)。
※実際のID数・エディション・契約残期間で変動します。移行構築費・運用費は別途。正式試算はヒアリング後にご提示します。
移行タイミングの論点:現行Salesforceのご契約が残っている場合、二重コストを避けるため「契約満了に合わせた切替」または「満了の約2年前から要件定義・棚卸しを着手」する進め方が安全です。今は絵姿と費用感を固める段階として最適なタイミングです。

4. 移行プロセス(3ステップ)

設定移行・データ移行・周辺アプリの見直しまでを一気通貫で支援します。

1STEP 01 | 現行利用状況の棚卸し
Salesforceのプラン・利用人数・主要機能・外部連携・既存カスタマイズを確認。Salesforce CLI等で設定・オブジェクト・関数を棚卸しし、現状を正確に可視化(GUIだけに頼らず構造を把握)。
2STEP 02 | Zoho側の再設計
顧客管理・営業プロセス・レポート・ワークフロー・外部連携を現場運用に合わせて組み直す。使っていない機能は持ち込まず、必要なものだけを「ちょうどいい」形に。Zoho API / Deluge / クライアントスクリプト / Widget で実装。
3STEP 03 | 移行・検証・定着支援
データ移行・実装・テスト・マニュアル整備・教育を一体支援。「入れて終わり」にせず、使い続けられる状態まで引き継ぎます。

4-1. 属人化(ブラックボックス)の解消 ― 非ブラックボックス化支援

成果物を一元管理してお渡し

要件書・設計書・議事録・実装コード・テスト結果・運用マニュアル・AI活用手順までを一つのリポジトリ(Git)にまとめてお納め。「誰が何を設定したか分からない」を解消します。

AI駆動の実装体制

Cursor・Claude Code等を活用したAI駆動設定・カスタムで、効率的かつ再現性高く構築。後からAIで「中に何が書かれているか」を引き出せる状態に。

引き継ぎを前提にした設計

現担当者の負担を減らす方向で進めます。設定が公開・文書化されることで、貴社自身での管理・将来の引き継ぎが容易になります。

セキュリティ運用

認証情報や実データはGitにアップロードしない運用。DX認定企業に相応しいガバナンスを構築段階から組み込みます。

5. 他社事例(Salesforce/既存CRMからZohoへ・卸/メーカーの導入実績)

貴社と商流・規模が近い卸・メーカーでの公開導入事例です(成果数値は各社の公開値)。

ミツバ(自動車電装品メーカー)電装 × BtoB
Zoho CRM(SFA)導入で、営業報告の作成を 1時間 → 約20分(約1/3)、案件のリードタイムを 2〜3週間 → 約1週間 に短縮。
田島ルーフィング(建材メーカー・従業員1,232名)多者間営業
施主・工事業者・設計事務所・卸問屋など多者間の営業情報をZohoで一元化。「電話しないと追えなかった情報が手に取るように分かる」状態に。※定着には専任の推進チームを置いてから本格稼働、という学びも公開(=弊社が重視する「定着支援」の裏付け)。
ワケンビーテック(医療機器の製造・卸)卸 × 在庫連動
自社開発システムからZoho CRMへ。商談プロセスと在庫を一元管理して機会損失を削減、主力製品の年間販売台数が業界1位に。
TOO(OA/IT機器の卸・デザイン商社・従業員413名)卸 × 多拠点
本社・支社で分断していた顧客DB・日報をZoho CRMで統合。新規顧客開拓120%増、営業効率の向上。
上記は各社の公開事例に基づく数値です。深田電機様での効果は、現状ヒアリングを踏まえた正式試算でご提示します(数値はあくまで他社実績であり、成果を保証するものではありません)。
PART 2Zoho CRM 活用 ― 受注の「正解データ」で勝ちパターンを増やす(ZEB事業の横展開)

6. 狙い ― 採択率97%の提案ノウハウを、属人知から「全社の資産」へ

貴社のES室は省エネ・ZEB提案で2023年度 提案60件・採択58件(採択率約97%)という強みをお持ちです。しかし、「どんな提案が・どんなお客様で・なぜ受注になったのか」という知見は、現状ではご担当者の頭の中(属人知)に留まりがちです。本パートは、Zoho移行(第1部)で整えたCRMを土台に、この勝ちパターンをデータとして可視化し、横展開できる資産に変えることを狙います。

受注になった商談を「正解データ」とし、そこに至るまでのお客様とのやり取り(メール・電話・打ち合わせ)の中身受注/失注の結果を突き合わせて分析。「どんなニーズの・どんなお客様が受注につながるか」を見える化し、提案の横展開と受注率向上につなげます。

6-1. 提供価値の全体像

① 受注パターンの分析・データ化

受注/失注の結果と、その過程のコンテクストを突き合わせ、「価値が出た提案パターン」「受注しやすい顧客像・ニーズ」を抽出。ES室の暗黙知を全社で再現可能に。

② 類似商談のベクトルマッチング

提案中の商談に対し、過去の類似提案(受注例・失注例)と、その商談の過去コンテクスト(電話・メール・打合せ履歴)をAIが提示。「この傾向なら受注に持っていきやすい」というヒントが得られる。

③ 受注率の向上

勝ち筋の参照と、有効な提案ができるお客様の見極めにより、受注率そのものを引き上げる。お客様に対しても、より的を射た価値提供につながる。

④ 入力負荷ゼロが前提

分析の土台=やり取りの蓄積を、営業の手入力に頼らず自動で。現場の負担を増やさずにデータが貯まる仕組みを同時に構築(次節)。

7. 営業の入力負荷ゼロで「コンテクスト」を自動蓄積する仕組み

受注傾向分析が機能する条件は、商談ごとに「やり取りの履歴」が貯まっていること。これを営業担当の入力負荷をかけずに自動化します。コンサルティングプロセス全体のお客様の履歴が、そのまま商談のコンテクストとして蓄積されます。

チャネル連携の仕組み蓄積されるコンテクスト
メールIMAP連携でメールの送受信を商談・顧客レコードへ自動紐付け提案メール・見積送付・問い合わせ・往復のやり取り全文
電話Dialpadの通話履歴・自動文字起こしを連携架電・着信の履歴、通話内容のテキスト(ニュアンス・要望)
打ち合わせGoogle Meet「Take notes for me」または Notta 等で自動議事録化 → 商談へ蓄積打合せの発言・決定事項・宿題・温度感
メール・電話・打ち合わせの履歴が自動で商談に貯まる → その上で類似商談の検索受注になった商談の傾向分析が、営業の入力負荷なしで回り続ける。これが本パートの核です。

7-1. 活動履歴入力に特化した専用ウィジェット画面

自動蓄積に加え、定性情報(提案の決め手・競合・予算感・キーパーソン等)を最小操作で残せる活動履歴入力に特化したウィジェット専用画面を構築・埋め込みできます。「入力が面倒で埋まらない」を避け、分析に効く情報を軽い操作で補完します。

7-2. なぜ「Zoho + etika」で行う価値があるか

Salesforceでも"できる"が、Zohoなら"安く・自社で持てる"

同等のことはSalesforceでも可能ですが、ライセンスコストを大幅に抑えつつ(第1部)、同じ仕組みをZohoで実現。さらに設定・連携・AI分析までをGitで一元納品=非ブラックボックスでお渡しします。

連携〜AI分析までワンストップ

IMAP・Dialpad・Meet/Nottaの連携、専用ウィジェット、ベクトル検索による類似商談・受注傾向分析(生成AI活用)まで、当社が一気通貫で設計・実装。点の機能ではなく「受注を増やす仕組み」として束ねます。

ベクトルマッチングによる類似商談検索・受注傾向分析は、蓄積したコンテクストを生成AIで埋め込み(ベクトル化)して実現する構想です。具体的な実装方式・利用LLM・精度はPoCで検証します。外部サービス(Dialpad / Notta 等)の利用料は別途発生します。

8. 実績からの横展開 ― 類似工場・取引先の「アプローチ・ターゲットリスト」自動生成

受注傾向分析(前節まで)を「今ある商談を勝たせる(内向き)」に使うだけでなく、「新しい商談を作る(外向き)」にも展開します。受注になった商談や補助金を獲得できた取引先を起点に、同じような工場・設備を持つ他の取引先を割り出し、「同じ補助金・同じ提案が通る可能性が高い先」をターゲットリストとして自動で出せる仕組みです。

イメージ:「御社と同じような工場で省エネ設備を導入し、補助金を獲得できた事例が出ました。御社の◯◯工場でも同様のご提案をさせてください」── このアプローチのきっかけを、AIがターゲットリストとして提示します。

8-1. 何が起きるか(業務の流れ)

  1. 取引先を「工場プロファイル」化:取引先(既にSalesforce/Zohoに登録済みの前提)に、その企業が持つ工場・拠点・設備の属性(業種・用途・規模・設備種別=空調/照明/受変電/太陽光・築年・エネルギー使用規模 等)を関連付けて登録。
  2. 正解データと突き合わせ:過去の受注・補助金獲得案件の「顧客像・工場像・提案内容・採択された補助金」を特徴として抽出。
  3. 類似ターゲットの抽出:受注・採択になった工場と似た属性を持つ未提案の工場・取引先を、AIがスコア順にリスト化(「同じ補助金が使える可能性」「同じ提案が刺さる可能性」が高い順)。
  4. アプローチ実行:リストをZoho CRMの商談/キャンペーンにセットし、参照事例(「同様工場で採択実績あり」)を添えてES室がアプローチ。

8-2. アーキテクチャ(技術的な進め方の概略)

レイヤー役割想定の実現方式
① データソース取引先と、その「工場/拠点/設備」情報Salesforce/Zohoの取引先(Accounts)+関連カスタムオブジェクト「工場・拠点」を新設
② エンリッチ(情報補完)取引先の工場属性を収集・補完AIリサーチエージェントが公開情報(企業サイト・施設情報・ニュース)から工場属性を抽出 → API でCRMに書き戻し(公開情報のみ・人手で承認
③ 特徴量化・ベクトル化受注実績と工場プロファイルを比較可能に受注/採択案件と工場プロファイルを埋め込み(ベクトル化)し、ベクトルストアに格納(本パートのコンテクスト基盤を共用)
④ マッチング・スコアリング似た先を順位付けベクトル類似検索 + ビジネスルール(補助金要件=設備種別・規模・業種・地域の適合)で絞り込み・スコア化
⑤ 出力・実行ターゲットリスト化しアプローチへZoho CRMのカスタムビュー/ターゲットリスト(リード・商談化)。BI(第3部)で母集団も俯瞰
本仕組みは構想段階であり、対象データ範囲・利用LLM・ベクトル方式・精度はPoCで検証します。エンリッチは公開情報のみを扱い、登録は人手承認を挟みます。取引先データは現行Salesforceに登録済みである前提で、移行後はZoho側で同等に構築します。本パートの「受注傾向分析・コンテクスト蓄積」と同じデータ基盤を使い回すため、追加投資を抑えて実現できます。

9.(補足)電設資材販売の受発注電子化 ― Bカート × CRM連携

素案としての補足です。電設資材の販売について、BtoB EC「Bカート」と連携し、電気工事店・設備店からの受発注を電子化(FAX・電話受注のデジタル化)できます。さらに、そのEC・受発注データもCRMに連携でき、お客様の購買データを商談のコンテクストの一部として取り込めます。受注傾向分析(本パート)や経営ダッシュボード(第3部)と、購買行動データがつながります。

本項は将来の拡張余地としての補足情報です。導入可否・範囲は別途ヒアリングのうえ検討します(業界首位の因幡電機産業も二次卸・工事店向けBtoBtoB ECを2024年に構築しており、受発注電子化は業界の潮流です)。
PART 3販売管理(アラジンオフィス)データの BI 化と AIエージェント接続

10. できること ― 「数字を見る」と「数字に聞く」

オンプレミスの販売管理(アラジンオフィス)に蓄積されるデータを、基幹システムには一切手を入れずに、その外側へセキュアに引き上げます。一度クラウドのデータ基盤に載れば、BI(可視化)とAIエージェント(自然言語問い合わせ)の両方に接続できます。

① 経営ダッシュボード(BI)

売上推移・取引先別・商材別・13拠点の拠点別を、会議資料を待たずに常時把握。役員も拠点長も同じ数字を見られる状態に。

② 建築業界向け 販売傾向のAI分析

「どの商材が・どの拠点で伸びているか」を自然言語で質問。急成長中の建築業界向けの傾向を仮説づくりに活かせます。

③ データ問い合わせの民主化

「先月の○○商材の拠点別売上は?」とAIに聞くだけ。SQLや専門知識なしで現場が自走、情シスへの問い合わせ負荷を削減。

④ CRMデータとの結合

第2部で蓄積した商談・受注データと販売実績を突き合わせれば、「提案が売上にどうつながったか」まで一気通貫で見える化できます(権限設計を伴います)。

10-1. 同業界の「動いている」事実

電設資材の業界首位・因幡電機産業は、二次卸・工事店向けに BtoBtoB EC(2024年構築)を立ち上げ、FAX・電話の受発注をオンラインへ移行しています。受発注・データのデジタル化は業界全体で標準化が始まっており、データを握る競争が進んでいます。

11. 実装アーキテクチャ(共通の骨格)

採用ツールに依らず、骨格は次の通り一貫しています。

1データソース層:アラジンオフィス(オンプレ・導入済み)
受発注/売上/商品/取引先データ。本層には手を入れません。
2データ抽出・連携層
オンプレDBからセキュアに引き上げ(ファイアウォールを開けずに連携)。整形して上位層へ。
3データ基盤層
分析・AI活用に最適化した形で蓄積・統合。長期データや他データの結合の受け皿。
4BI/可視化層
経営・拠点別ダッシュボード、定型レポート自動配信。「数字を見る」
5AIエージェント層
自然言語で問い合わせ。「数字に聞く」

12. 実装パターン2案のご提示

共通の骨格に対し、各層のツールをどう選ぶかで代表2パターンに分かれます。貴社は業務基盤がMicrosoft 365/SharePointのため、いずれも親和性があります。

パターンA:Microsoft 一本化 A

アラジンオフィス →〔On-premises Data Gateway + Fabric Data Factory〕→ Microsoft Fabric / OneLakePower BI(BI)+ Fabric Data Agent / M365 Copilot(AI)。

既存のMicrosoft 365と同一テナント内で完結。認証(Entra ID)・ガバナンス(Purview)を一元化でき、データ経路が短くシンプル。

パターンB:Zoho 併用 B

アラジンオフィス →〔Zoho DataBridge〕→ Zoho Analytics(BI)/〔DataPrep〕→ Azure SQL → AIエージェント。

今後CRMをZoho化する流れと合わせ、使い慣れたZohoでBIまで完結。Salesforce等の社外データ統合に強い一方、Zoho⇄Azureの往復で構成はやや複雑。

12-1. 費用感の比較(基盤コストの目安・定価ベース概算)

AIエージェント層のライセンス(M365 Copilotのユーザー課金等)は構成に依らず共通的に発生するため下表からは除外。為替・契約形態・データ量で変動します。

規模パターンA:Microsoft 一本化パターンB:Zoho 併用月額差(B−A)
小規模スタート
(PoC〜部門利用)
Fabric F2(年間予約)+Gateway ¥0
約 2.4万円/月〜
Zoho Analytics+DataPrep+Azure SQL+Fabric F2
約 8.8万円/月〜
約 +6.4万円
本格運用
(全社・データ量増)
Fabric F8(年間予約)
約 9.7万円/月〜
Zoho Analytics+DataPrep+Azure SQL+Fabric F8
約 18.9万円/月〜
約 +9.2万円
観点パターンA:Microsoft 一本化パターンB:Zoho 併用
データ経路短い(MS内で完結)長い(Zoho⇄Azure 往復)
エコシステム数1(Microsoft)2(Zoho+Microsoft)
認証・ガバナンスEntra ID / Purview で一元化Zohoと Microsoft で二系統
既存M365との統合そのまま統合別途連携
Zoho資産の活用活かしにくいCRMのZoho化と一体で活かせる
基盤コスト安い月+6〜9万円ほど割高
補助金の登録構成整理しやすい混在で精査の手間
大枠の見立て:BI・AI基盤の「データ活用層」は、貴社のMicrosoft 365基盤を活かすパターンA(Microsoft一本化)がコスト・運用ともにシンプル。一方、CRMをZohoへ移行する流れ(第1部・第2部)と合わせ、BIも使い慣れたZohoで揃えたい場合はパターンBも選択肢です。「CRM=Zoho、BI/AI基盤=Microsoft」という"良いとこ取り"のハイブリッドも現実的で、最終的にはヒアリングで最適化します。
※AIエージェントは Claude 等のLLMを用いた独自エージェント構成も選択可能です。

13. 全体ロードマップ(第1部〜第3部の進め方)

フェーズ第1部:SF→Zoho移行第2部:CRM活用(受注傾向分析・コンテクスト蓄積)第3部:BI・AI基盤
Phase 0
現状調査・要件確定
SF設定・オブジェクト・関数・連携の棚卸し(CLI活用)、利用実態の把握メール/電話/会議ツールの利用状況、ZEB商談の受注/失注の記録状況を確認アラジンDB構造の把握、見たい指標・想定質問の整理、ツール(A/B)選定
Phase 1
基盤構築
Zoho側の再設計・実装(必要機能のみ)IMAP・Dialpad・Meet/Notta連携、活動履歴入力の専用ウィジェット構築オンプレからの抽出・連携、データ基盤への取込
Phase 2
可視化・蓄積
データ移行・テスト・マニュアル整備コンテクストの自動蓄積を運用化、受注/失注データの整備BIダッシュボード/拠点別レポート自動配信
Phase 3
AI・定着
教育・定着支援、成果物をGitで一元納品類似商談のベクトル検索・受注傾向分析AI、取引先の工場プロファイル化と横展開ターゲットリスト自動生成(→Bカート連携は拡張)AIエージェント構築(建築業界トレンド分析)→PoC→本実装

第1部(CRM移行)・第2部(CRM活用=受注傾向分析)・第3部(BI・AI)は並行・段階的に進められます。まずは小さく始めて検証し、納得を得ながら拡張する設計です。Salesforce契約の残期間を踏まえ、最適な着手時期をご相談します。

14. 補助金の活用

本提案のCRM移行・データ基盤・AI活用は、「デジタル化・AI導入補助金2026」(旧 IT導入補助金)の対象となり得ます。

補助金は公募回ごとに要領・締切が異なります(通常枠の直近締切例:2026年6月15日)。要件定義〜申請準備を締切から逆算してスケジューリングします。最新の公募内容は申請時に再確認します。

15. 当社(株式会社etika)が支援するメリット

① Zoho認定パートナー × 移行実績多数

Salesforceからの移行案件を多数手掛け、API連携・機能面で「大体同じことができる」を実証済み。元Salesforceユーザーの視点で再設計します。

② ベンダーニュートラル

Microsoft・Zoho双方を扱える立場から、貴社の既存環境とゴールに即した最適解を提案。"得意な製品の売り込み"にはなりません。

③ 業務要件から実装・定着まで一気通貫

「商品を売る」のではなく「環境構築と成果が出るまでのプロセスを一緒に作る」ことを重視。要件と実装の齟齬を防ぎます。

④ 非ブラックボックス化支援

設定・コード・手順をGitで一元納品。属人化を解消し、貴社自身での管理・引き継ぎを容易にします。

⑤ AI駆動の実装体制

Cursor・Claude Code等で効率的・再現性高く構築。コストを抑えつつスピードを担保します。

⑥ 補助金活用を見据えた構成設計

登録ツール構成や申請要件を初期設計段階から織り込み、「後から使えなかった」を防ぎます。

16. 次のアクション

  1. 本提案の方向性(第1部:CRM移行/第2部:CRM活用=受注傾向分析/第3部:BI・AI)について役員の皆様でご検討。
  2. 現状ヒアリングの実施(下記項目)→ 正式なコスト試算(移行・基盤・運用)とスケジュールをご提示。
  3. パターンA/Bの選定(またはハイブリッド)と、補助金申請スケジュールの確定。
  4. 小さく始めるPoC範囲の合意(例:1拠点・主要商材のBI+AIエージェント/ES室のZEB商談で受注傾向分析とコンテクスト自動蓄積を試行)。

16-1. ヒアリングで確定させる主要項目